どうもジャック36です。
私は本業としてメーカー営業職として働いております。普段から営業をしていると様々な形態をとって物販やサービスを提供している企業を知ることになります。代理店と呼ばれるものだったり、販売店、卸店といったところまで似ているけどちょっと違うような形態をとっています。
今回は、代理店、販売店、卸店、直販の営業スタイルの違い、顧客との関係性、売契の有無に加え、メリット・デメリットを解説していきたいと思います。
皆さんは、各々の違いを正確に解説することはできますか?もしあなたがB2Bの営業マンであればこの記事は一度は読んでおいて損はないと思います。
それではどうぞ!
目次
販売店、代理店、卸店、直販とは
「代理店」や「販売店」と聞いて、皆さんは「メーカーなどの代わりに営業をして消費者に対してサービス、製品の提供を行っている」というイメージを持たれていると思います。「卸店」に関して言えば、「商社と同じようなイメージ」と思われているかもしれません。このような言葉は、B2Bの法人ビジネスでは毎日のように耳にする販売形態ですが、意外と正しい意味で理解できている人は少ないと思います。
今回は、下記の項目で各々を区別化したいと考えております。
- 契約主・売契先
- 在庫の有無
- 利益獲得方法
- 商流
- 販売後の責任の有無
すべてぜひ、今回の記事を読んで、正しく理解していただければ幸いです。
販売店とは(Agency)
販売店とは、文字通り顧客に対してサービスや製品を販売する企業、またはその総称を示す言葉です。販売店は、メーカー等から仕入れた商材を消費者に対して提案し、顧客が気に入った場合、それを販売することができます。代理店との大きな違いとして、消費者と売買契約を締結している点です。また仕入れ先であるメーカーとも売買契約を結び、仕入れております。販売確約後は保守をメーカー側が行う場合を除き、基本的には販売店が販売した製品の責任を負います。故障した際や製品に関する問い合わせは販売窓口である販売店側へ連絡が入ります。また、製品の仕入れが発生するため、製品、商品を在庫として保有することになります。近年は販売店の中でも、在庫を嫌う社長が増え、案件確約後、メーカーへ注文するところも増えました。
販売店のメリット
販売店のメリットは、メーカーや商社から仕入れた商品に対し、好きな額を粗利として載せて販売することができるという点です。粗利はその会社の利益に直結しますので、社長からすると大きなメリットです。また地域密着型の販売店となれば、地域の方々への信頼性も強く得ることができます。加えて地域密着型の販売店であれば、官公庁の入札にも入り込むことができ、売り上げを大きくすることも可能です。
販売店のデメリット
販売店のデメリットと言えば、やはり在庫を保持しなければならないという点です。商品によっては、受注後にメーカーや商社へ注文すれが良いのですが、消耗品や保守にかかわるものは在庫として保持する必要があります。消耗費や低単価のものは今でも在庫している販売店は多く存在します。この点はリスクがありデメリットといえるでしょう。
販売店まとめ
まとめると以下のようになります。
- 契約主・売契先 :メーカー/商社 → 販売店 → 消費者
- 在庫の有無 :販売店
- 利益獲得方法 :仕入れ額と販売額の差額
- 商流 :メーカー / 商社 → 販売店 → 消費者
- 販売後の責任有無:販売店
この上記のポイントはしっかりと押さえましょう。
代理店とは(Distributor)
代理店とは、文字通りメーカーや商社の代わりに営業活動を行う企業、またはその総称を示す言葉です。代理店は、メーカー等から提案があった商材を消費者に対して広く紹介を行い、販売活動を行います。販売店との大きな違いとして、売買契約が消費者との間にあるかどうかです。代理店の場合、基本的には売買契約を消費者とは交わさず、あくまでメーカー・商社と消費者の間の仲介役として活躍します。販売確約後にメーカーや商社からコミッション(いわば紹介料、手数料)という形で報酬を得ることで利益を獲得します。
代理店のメリット
代理店のメリットは販売後の責任を負わなくて良い点です。販売後のサービスや製品の故障や不備の責任は販売をしたメーカーや商社が負うこととなるため売契が消費者とある直販や販売店と比べると低リスクなビジネスといえます。この点は大きくメリットです。
代理店のデメリット
在庫を保有して販売する販売店や卸店と比べると自分の意図した粗利を乗せて物販やサービスを消費者へ提供できないため、利益率が操作できない点です。
代理店まとめ
まとめると以下のようになります。
- 契約主・売契先 :メーカー/商社 ← 代理店 メーカー / 代理店 → 消費者
- 在庫の有無 :メーカー / 商社
- 利益獲得方法 :コミッション(紹介料・手数料)
- 商流 :メーカー / 商社 → 消費者
- 販売後の責任有無:メーカー / 商社
この上記のポイントはしっかりと押さえておきましょう。
卸店とは(wholesaler)
卸店とは、メーカーや商社から商品を仕入れて顧客に対して商品を提案、販売をする企業、またはその総称を示す言葉です。これを聞けば一見、販売店と機能的には同じではないか?と思うかもしれませんが、そうです。ほぼ同じです。では何が違うのか?それは顧客が「消費者」ではないということです。卸店のお客様は小売業者や販売店であり、その商品を使用するユーザーではありません。そのため卸店はメーカーや商社からするとその分、商品の仕切り額を調整する必要があります。しかし販売網を拡大するという点では大きく貢献をします。卸店は様々な販売店とつながりがあり、その数に比例して広く提案することができるのです。またこれと同じような役目をした言葉に「問屋」という言葉が存在します。これは昔の卸店のことを問屋というため、問屋は卸店ということになります。また売契は仕入れのためにメーカーや商社と、販売するために小売店や販売店と結びます。また販売店と同じように利益の獲得は仕入れ値と販売額との差、在庫は保有することとなります。販売後の責任については、販売した卸店になります。
卸店のメリット
卸店のメリットは、様々な販売店からの案件に対応するため、様々な案件を担当することができるという点です。また販売網が大きければ、広く多くの商材を展開することができ利益獲得につながります。この点は、他にはないメリットです。
卸店のデメリット
卸店のデメリットは販売網が少ないと、利益を生むのが難しいという点、販売店の要望に応え仕切りを調整する必要があるという点です。卸店は、販売店ありきの商売となります。
卸店まとめ
まとめると以下のようになります。
- 契約主・売契先 :メーカー/商社 → 卸店 → 販売店・小売店 → 消費者
- 在庫の有無 :卸店
- 利益獲得方法 :仕入れ額と販売額の差額
- 商流 :メーカー / 商社 → 卸店 → 販売店・小売店 → 消費者
- 販売後の責任有無:卸店
直販とは(Direct to consumer)
直販とは、訳さず言うと直接販売と言います。その名の通り、メーカーや商社から消費者に対して直接商品やサービスを提供、販売をするということです。直販部門は多かれ少なかれ、メーカーや商社には存在します。売契は消費者と結び販売をすることができます。利益はその製品を製造した際の材料費や人件費、その他配送費などを販売額から引いた額となります。市場のバランスをとるため、極端に安く販売することはなくある程度利益を乗せて販売するのが普通です。仮に安く提供してしまうとルート部門(販売店)から非難を浴びることになるからです。また在庫についても自社で保管することになりますが、それについてはルート部門やパートナー部門でも販売が可能なため、大きなデメリットにはなりません。
直販のメリット
直販のメリットとしては、粗利を大きく載せて販売することができるという点です。消費者の間に卸店や販売店を挟むことなく、さらには代理店へのコミッションも払うことがないため大きな利益を得ることができます。また提案するのがメーカー、商社の人間のため説得力のある提案をすることが可能です。この点は直販の大きなメリットとなります。
直販のデメリット
直販のデメリットは、販売網拡大に時間がかかるという点です。そのため知名度を拡大することが難しく、マーケティング視点で考えるとあまり良い戦略とは言えない販売方法となります。加えて利益貢献にはつながりますが、売り上げ貢献は難しい販売方法と言えます。
直販まとめ
まとめると以下のようになります。
- 契約主・売契先 :メーカー/商社 → 消費者
- 在庫の有無 :メーカー/商社
- 利益獲得方法 :販売額から製造の際の人件費や材料費を引いた額
- 商流 :メーカー / 商社 → 消費者
- 販売後の責任有無:メーカー./商社
販売店、代理店、卸店、直販の違い、まとめ
上記の記事を読んで販売店や代理店、卸店や直販の違いを理解することができたでしょうか。
ただ、文章を見ただけではなかなか違いをイメージすることは難しいかと思います。そのため、わかりやすくまとめた図を作成いたしましたので参考にしていただければと思います。
※下記の図を参照
最後に
いかがだったでしょうか?
今回は販売店、代理店、卸店、直販の違いについて記事を書いてみました。
これらの違いは売契や在庫の有無、責任の有無など様々あります。似ているようで非なるものですので、是非今回の記事を読んで知識にしていただければ幸いです。
特にこれらは物販業界ではよく聞く言葉です。違いを知っていればさらに業界について理解を深めることができます。
このWebサイトでは様々な知識についてわかりやすく解説をしております。是非ほかの記事も読んでいただければと思います。
それでは!
サプライウェブ 次世代の商流・物流プラットフォーム [ 小野塚 征志 ]